暑さもよ 当所では、クリーニング業者の皆さんに品質テストをお勧めしています。
コックさんは毎日同じお店から材料を仕入れて同じメニューの料理を作りますが、でき上がりを必ず味見します。材料や調味料使用量の微妙な違いを確認するためです。
クリーニング工場も、同じ機械に同じ資材を同量投入し、処理します。洗うものはその都度異なりますが、洗浄効果はほぼ同じと考えられ、機械設備や資材に多少の変化が生じることを予想してその確認を年1度位は確認することをお勧めしています。この安定した結果が、その会社の品質ということになります。洗濯工場でなくても、生産工場では生産物の品質を確かめ、より高品質な製品作りへの工夫に励んでいるのが現実です。
消費者の要望は品質か、値段か?
最近あまり見かけなくなりましたがお客様にクリーニング業者への要望や、店選びの選択支を問うアンケートが取られていました。これらの回答には必ず「技術が良い」という類の回答があり、上位を占めていました。
それを読んだクリーニングスタッフは、技術を磨いていた(?)わけですが、ある時期から「技術が良い」という要望はどうも建前であって「本音は価格の様だ」という憶測が広がり、安さを強調し、割引を頻繁にするようになったのが現状です。
確かに、割引の幟を立てたクリーニング店にお客様はよく集まります。
しかし、この割引はいつも利用して頂いているお客様への感謝?もありますが、新しいお客様に来店願って、それをきっかけに固定客になって頂きたいためなので品質を落とすわけには行きません。
しかも、クリーニングは手間賃稼ぎであり品質を低下なしに値引きの余地はなく、工場設備に見合った効率良い処理量があり、能力に合った仕事量を保持し、品質にも目を向けることをお勧めします。
バッチ洗い 汚染原布 |
水溶性汚れを落とし難いドライクリーニングでもこんなに汚れを落とすことができます。
*提供:当会会員優良品質保持者 三愛クリーニング様(千葉県市原市辰巳)
会員へのお知らせ
2023年10月
ここ数年、コロナ禍の影響でかなり減少していた需要が徐々に回復に向かう兆しが見えて来ました。家計調査報告(総務省統計局)によると、2022年の1世帯当たりのクリーニング支出額は4628円で、コロナ禍前の2019年の5936円に比べると78%だということです。2019年の水準になるには、まだ遠い先の様に感じますが、最近は職場によってはコロナ禍前の状態に戻ったところも多いと聞きます。また、客先への訪問等外に出る機会も増えているようですので、2023年はもう少し回復することを期待します。
【令和5年】
7月7日にクリーニング品質研究会はクリーニング品質総合研究会に生まれ変わりました。HPはこちら
【平成30年】
クリーニング品質研究会を玉井クリーニング科学研究所に吸収し研究会活動を継続、現在に至る。
【平成15年】
会長として、会員と共にすべての運営に当たる。
【平成11年】
名称をクリーニング品質研究会と改め、ランドリー、ドライクリーニング等全てのクリーニングを視野に活動を拡げる。
【平成5年】
発起人の一員としてドライクリーニング品質を追求する会として設立、事務局を担当する。
クリーニング業界はこれで良いのか
クリーニング業界に居て今もっとも気になることは需要の落ち込みですが、それに伴ってひどくぎすぎすしているように感じられることではないでしょうか?
クリーニングはお客様の商品をお預りして、再生処理をしてお返しする手作業で、労働力を加減する余裕はないはずです。
しっかり手をかけて高品質の仕事をして、お客様に満足して頂くためには、割引は考え物です。
むしろ、良い品質に仕上げるための勉強に経費を使いましょう。
この姿勢を嫌うお客様はいないはずです今後に期待します。